市民後見ニュースレター2021年2月号を発行しました

今回のニュースレターの特集は「後見人の業務」として、ある後見人の日誌を見ていただきながら成年後見人の活動のイメージをもっていただく内容となります。

PDF版
市民後見ニュースレター2021年2月号

(以下:文章内容)

押さえておきたい基本の「き」 ~成年後見入門⑤

前回まで成年後見制度についてご説明してきましたが、
今回はある後見人の日誌から後見人がどのような業務をしているのかをご紹介します。

≪後見人の業務 〜ある後見人のある日の日誌より〜》

日誌をご紹介する前に、 A さん、 B さんのご本人の状態について簡単にご説明しておきます。
A さん : 85歳 女性 高齢者住宅で一人暮らし
介護保険を利用して、週3回ヘルパーさんに家事を手伝ってもらっています。
この訪問日の半年くらい前から認知症で後見人が選任されています。

B さん : 48歳 男性 自宅マンションでお父さん※と二人暮らし
訪問日の1年くらい前から知的障害で後見人が選任されています。
※ お父さんが脳梗塞で倒れ、脳に障害が残ったため、お父さんとB さんに後見人が選任されています。

【ある後見人のある日の日誌】
○○月○○日  A さん宅へ定期訪問
10:00~11:00  月2回訪問していて、今月2回目。
ヘルパーさんに買い物、掃除、洗濯などの家事は依頼しているが、月1回のクリニックへの受診以外はまったく外出していない、
テレビや新聞も見ないため、少しでも何か楽しみを見つけたり、運動不足を解消するためデイサービスの利用を提案してみた。
人との触れ合いや少しの刺激がなければ、ますます認知症が進行するのでは、と心配される。
次回もデイサービスの利用を提案したい。

13:00~16:00  B さんの通院同行
難聴のB さんの希望により、かかりつけ医から紹介された大学病院の内科受診に同席するため自宅へ迎えに行き同行する。
医師は、親族でない後見人の同席に難色を示されたが、ご本人は難聴でもあり、説明が理解しがたいことと後見人の立場を説明し、
了解してもらう。ご本人に医師の言葉をかみ砕いて説明し、診察は無事終了。
初めて受診する大学病院だったので、帰りも自宅まで送る。次回も同行予定。