市民後見ニュースレター2020年11月号を発行しました
今回のニュースレターは「任意後見制度」の特集号となります。
次回更新もお楽しみに!
PDF版
newsletter202011
(以下:文章内容)
押さえておきたい基本の「き」 ~成年後見入門②
ここでは、後見制度の中の任意後見制度について、次の図に沿ってご説明します。
任意後見制度
〜利用の流れ〜 (図を参照)
① 任意後見契約締結
依頼する本人(委任者)は、判断能力が十分あるうちに、将来、判断能力が不十分になった状況に備え、あらかじめ信頼できる人、つまり任意後見人(任意後見受任者:任意後見契約を締結した段階の人)になってくれる人と、自分の生活や施設の利用、預貯金の財産管理など、どのような支援をしてもらうかを決め、任意後見契約を締結します。
② 任意後見監督人 選任の申立て
本人(委任者)の判断能力が低下すると、本人や任意後見受任者などが家庭裁判所に任意後見監督人選任の申立てをします。
③ 任意後見人の選任
申立てを受けた家庭裁判所は、任意後見監督人を選任します。
④後見の事務
任意監督人が選任されると、任意後見受任者は任意後見人として、あらかじめ本人より依頼されていた後見事務を行います。
⑤ 後見人の監督 ⑥ 監督人への報告
○任意後見監督人は、任意後見人が後見事務を適切に行っているかを監督します。
○任意後見人は、本人のために行った後見事務について任意後見監督人に報告します。
⑦ 監督人の監督 ⑧ 裁判所への報告 ⑨ 監督人の解任
○家庭裁判所は、任意後監督人の監督業務が適切に行われているかを監督します。
○任意後見監督人は、任意後見人より受けた報告を元に家庭裁判所に任意後見監督人として定期的に報告します。
○家庭裁判所は、任意後監督人の監督業務が適切に行われていない場合、解任することができます。
⑩ 後見人の解任
家庭裁判所は、任意後見人の後見業務で不正が明らかになった時や、著しい怠惰が認められた時は、任意後見人を解任することができます。
【注意事項】
※任意後見契約を締結しただけでは、任意後見人ではなく任意後見受任者です。任意後見監督人が選任され、初めて任意後見人です。
※任意後見契約を解除するには、公証人の認証を受けた書面によって、本人または任意後見受任者は、いつでも行うことができます。
また、正当な事由がある場合に限り、本人または任意後見人は、家庭裁判所の許可を得て任意後見契約を解除することができます。
※任意後見人の報酬の有り無し、または金額については、任意後見契約においては当事者間で定めることになっているため、任意後見契約の締結時に検討します。
以上概略をご説明しましたが、これまでにどれくらいの人が任意後見制度を利用されているのか、次に最高裁判所が毎年公表している「成年後見関係事件の概況」から抜粋した任意後見監督人選任の申立件数の推移を載せています。
これは、任意後見契約を締結した件数ではなく、任意後見監督人の選任の申立てが行われた件数です。
(任意後見監督人選定の申立件数の推移:グラフ参照)